見知らぬ犬や人に吠える犬の気持ち:武装した容疑者と向き合う警察官
2015.12.08
根強い人種差別の問題を抱えるアメリカでは、警察官が黒人やヒスパニック系に対して過剰な反応をするといって問題になっています。それに関連して、アメリカのニュースチャンネルCNNで、キャスターが警察官がどういう訓練を受けているかの体験レポートが紹介されていました。
ナイフを持っているかもしれない容疑者がポケットに手を入れたまま、スペイン語をしゃべりながら近づいてきます。銃を構えながら、「それ以上近くと撃つぞ」との制止にもかかわらず目の前まで近づかれたとき、レポーターは結局、撃つ選択をしました。この場合、容疑者は実際にナイフを持っていたのですが、持っていなかったのかも知れませんでした。
「どの時点で撃つと決めましたか?」とトレーナーの警察官。
「相手が近づいてきて、この距離から襲われたら殺されるかも知れない、と思ったときです」とレポーター。「相手に英語が通じなかったので、余計に怖かったです」と言いました。
「スペース(相手との距離)は、逃げる時間を確保するもの」(トレーナー)で、実際はもっと遠い距離から危険になるそうです。「撃つ」との決断は、迷ったあげくの自分の身を守るための攻撃でした。
見知らぬ人が近づくと吠えてしまう犬も同じ気持ちです。(ちょっと大げさ?)
最近は技術の発達により、相手に近づかれたり、手を出されたりすると心臓がバクバクすることは証明されています。
見知らぬ人が苦手な犬は、相手が自分に危険を及ぼす可能性があるかもしれない、と不安。そして犬の言葉で一生懸命「それ以上近づくな!」と言っているのですが、それがわからない人間がさらに近づいてくるので、わからない奴だな、と吠えるのです。
さらに吠えても効果がないと、次は噛む(撃つ)。自己防衛です。
人が苦手な犬には、「スペース」をあけてあげてください。犬の「言葉」(しぐさ)を知り、尊重してあげてください。
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