犬との主従関係、リーダー論、服従、支配性…(動画)
2015.12.07
犬のしつけ・訓練における言葉の使い方は、人によっていろいろです。
「服従」「主従関係」という言葉から、「絶対的な服従」を想像する人は、拒否反応を起こします。主人の命令には有無を言わず従わなければならない、といった考え方に基づいたトレーニングをする人がいるからです。いわゆる「強制訓練」です。中には、まるで中世の暴君専制君主のような考え方の人もいます。
一方で、服従訓練は必要なしつけ、と受け止める人もいます。「服従」というのはひとつの用語であり、「必要な時には飼い主の指示に従うことができること」「ルールを教えること」と捉えるからです。
微妙なのは「リーダーになる」という表現。何があっても犬を従わせなければならない、に近い使い方をしている人と、犬を導く、という考え方の人が混在しているようです。
少なくとも、狼の習性を当てはめた「アルファー(群れの一番力の強いオス)」になる、は間違えです。今では間違っていたと訂正されています。犬が「群れ」の動物というのも正確ではない。犬だって狼だって、群れで暮らすこともあれば、1匹で暮らすこともある。一匹狼って言葉、ありますよね。
犬は私たちのような「社会的な」動物です。一人でいることもあれば、集団で行動することもある。誰が主導権を発揮するか、その時の状況やメンバーによって変わるものです。
本当に力の強い人は、どっしりかまえているものではありませんか?大声を張り上げたり、力づくで相手をねじ伏せる必要はない。余裕がなく、自分の立場が不安な人は、言い訳や口数が多い。
犬も同じです。自信があり精神的に安定した犬は、むやみやたらと吠えません。なんでもかんでも、いちいち服従を求めません。必要な時に一瞥するだけで十分な効果が得られるからです。
カテゴリー: 犬の習性と行動