ボブ・ベイリーのチキンワークショップ②引退返上!伝説のワークショップが再開

2014.03.15

2013年6月、ボブ・ベイリーScDのオペラント条件付けワークショップ(通称チキン・ワークショップ)がアメリカで再開されました。

このワークショップは、ボブとマリアン・ベイリーPhD(1920-2001)が主催し、1990年代に、科学に基づいた動物トレーニング方法を一般社会に広めるのに大きく貢献した伝説のワークショップです。それまで主流だった、動物に無理強いをして言うことをきかせる訓練法ではなく、褒美を与えるという、より動物に優しい方法を学ぼうと、アメリカを中心に多くのドッグトレーナーの他、行動学者や行動獣医学の獣医師なども多く参加しました。

ボブとマリアンから学び、同ワークショップを開くことを許可されたトレーナーがアメリカで教え始め、2002年以降、ボブは活動の中心を北欧に移していました。そして、2012年のスェーデンでの仕事を最後に引退するつもりだったのです。しかし、ボブの長年にわたる生徒だったパービーン・ファーフッディMAは、アメリカでのワークショップを再開して欲しいと熱心に説得し続けました。

パービーンはこれまでに何度もワークショップに参加した動物トレーナーで、現在、ニューヨーク州のクイーンズカレッジで行動分析学(Experimental Behavior Analysis)の博士課程で学んでいます。ここ数年は、ボブと一緒に講演活動を行ってきました。最愛の妻マリアンの死後、一人でワークショップを教えてきたボブは、家庭犬や競技犬のトレーニングの実情に詳しい新しいパートナーを得たのです。

パービーンは、「行動分析学に忠実で、本来の理念を継承したチキン・ワークショップ」を目指していてます。

行動分析学は心理学から発生しましたが、認知心理学でもなく、動物行動学でもありません。ひとことで言えば「なぜ? WHY?」と「いかに HOW?」の違いとでも言えるでしょうか。

認知○○学や行動学が、「なぜそのような行動をするのか」という原因を探る、というのに対して、行動分析学は、原因・理由はさておき「目の前で起きていること(動物の行動)そのものを、変える」というものです。

 

ボブの説得に当たっては「ボブに直接教えて欲しいというトレーナーがたくさん待っている」と熱心に訴えました。実際に、2013年に本格的な5日間のワークショップの再開が決まる前にトライアルとしてロサンゼルス郊外で行われた3日間のワークショップには、アメリカでのワークショプの再開を信じて待っていたトレーナーが、全米から集まって来たのでした。

ボブはこう話しています。

「チキンを訓練するのは難しくはないんだ。このワークショップはチキンがトレーニングできたってトレーナーがいい気分になるためのものではないし、課題を易しくして成功させることが目的でもない。あえて難題に直面して“行動の仕組み”学ぶものなんだよ」

③なぜニワトリが教材なのか

3day workshop in LA

3day workshop in LA

 

 

 

 

試金石となった3日間のワークショプの修了書

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