嗅覚と犬の本能:老犬が食欲を無くした時
2015.11.26
先日行われたノーズワークセミナー(スニッファードッグカンパニー主催)のこと。
参加者の一人が、普段の生活の中でどのようにノーズワークを生かしているか、話してくれた。
飼っている老犬(ダックスフンド)が、ごはんを食べなくなったことがあったそうだ。その時、ノーズワークで使っているダンボール箱の中にごはんを入れ、探させてみた。すると食欲が回復し、元気になったそうだ。
「これが本能に働きかけるっていうことなんでしょうね」
保護した犬がごはんを食べないときに、食器に入ったごはんを目の前に与え、食べないからといって一生懸命食べさせようとする、というのもどうなんだろう?という疑問もある。
「それまで野犬として自分で餌をとっていた犬にとって、何もせずにごはんを得られることが必ずしも良いとは限らないかもしれない」
自分で餌をとる行動(ノーズワーク)が、どのようにして「苦手の克服」や「イキイキとする」ことにつながるのか。なぜかと聞かれたことがあるが、私は言葉では説明できない。
「脳のこの部分が活性化され…」とか、そういう類のものではない。
動物が生まれもっている仕組みであり、大いなる自然であり…言葉ではなく、見て、感じるものだと思う。