雷や花火が苦手な犬 おすすめグッズ②
2014.06.08
犬は人間より耳がよいため、大きな音は苦手です。人間社会で、特に都会に住む犬は常にさまざまな”不自然”な音にさらされていて、大きな負担がかかっていることは容易に想像できます。
「音」は私たちが思っている以上に心身の健康に影響を及ぼしています。
クラシック音楽を聴かせると、牛の乳の出がよくなった、ニワトリの成長が早まった、などの研究はありましたが、私たちとともに暮らす犬の生活の質を向上するため画期的な発見をしたのが、心理音響の専門家、ジョシュア・リーズ氏と獣医神経学者のスーザン・ワグナー氏。
リーズ氏は、ピアニストのリサ・スペクターさんと一緒に、犬をリラックスさせるのに最も適したテンポや音域、使用する楽器など、いろいろな演奏を試しました。曲なら何でも良いというのではなく、一定の条件に合ったものだけが心拍数を遅くしたりストレスホルモンの低下を促す、などの効果を得られることがわかりました。 既にストレスを感じている神経は音を正常に処理する力が落ちているので、その状態でも受け入れられるレベルのゆっくりシンプルな音であることが大事なのです。
その音楽の効果は、アメリカの動物愛護保護施設や犬舎で70%、家庭犬では85%の犬に効果があると実証されています。
雷以外にも、分離不安や来客時の興奮を静めるため、また、恐がりや不安症の犬にも有効です。
前はよく「お留守番が苦手の犬のためにテレビやラジオを付けておく」といわれていましたが、この本では、テレビやラジオは落ち着かせるよりも神経を刺激する、と言っています。現在では科学的に実証されている方法があるのですから、それを活用しない手はありません。ここで提案されている音楽をリピートにしてかけてあげる方が良いのかもしれません。
車でのお出かけが苦手だったり、逆に嬉しくて興奮しすぎてしまう犬にも、車の中で聴かせるといいです。ただし人間も眠くなることがあるので、運転中にはかけてはいけない曲もあります。
残念ながら本は和訳されていないようなのですが、ひとつ大事な注意点。
本当に雷が予想される時、または本当にお留守番をさせるときにだけこの音楽をかけないこと!まずはまったく関係のないときからかけておきます。そうしないと「ママがこの音楽をかけると雷がくる!どうしよう」「これからお留守番だ、オロオロ」と覚えてしまう可能性があります。
ボリュームは耳に心地よい程度に。犬は人間より耳が良いということをお忘れなく!
曲を購入されたい方は、アマゾンで through a dog’s ear で検索すると何曲もリストが表示され、MP3でダウンロードできます。
参考文献
through a Dog&’ Ear : Using Sound to Improve the Health & Behavior of Your Canine Companion by Joshua Leeds and Susan Wagner, DV, MS