犬がヒトの言葉に良く従うのは、脳の活動が良く似ているからか

2014.04.09

犬の脳の研究が活発になってきました。

人間の脳活動の研究は、fMRI(磁気共鳴機能画像法functional magnetic resonance imaging,)の普及で大きく飛躍しました。fMRIは脳内の血流の変化をとらえ、脳の活動を画像化するものです。

しかし、この装置で画像を映すには、 狭い装置の中で じっとしていなければなりません。犬には無理だと思われていたのですが、最近では褒美のみを使う陽性強化という方法で犬をトレーニングし、研究が行われています 。

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そのひとつでは、初めて人間の脳と霊長類以外の動物の脳の働きを比較されました。人間と犬を取り巻く環境は、さまざまな音にあふれています。このような社会的な情報をどのように処理するかは、社会生活の中で大事なことです。

人間の声(言葉以外)や犬の声、その他、車などのさまざまな音に対する人間と犬の脳の反応が比較したところ、犬の音を処理する脳の部分は、人間と良く似ていることがわかりました。また、人間の笑い声や犬が遊んでいる時の声、泣き声などに対する脳の活動部分も似ていました。このことは、声を処理するこの脳の部分が、ヒトと犬が分岐するより前の1億年以上前に進化した可能性を示しているそうです。

その他、同じ種、つまり犬なら犬の声に対する反応の方が別の種(ヒト)の発する声に対してよりも強く反応したそうです。

この研究を行ったアンディックス博士は、この研究は、人間と犬の間でなぜ声によるコミュニケーションが上手くいくかを探る一歩だと話しています。

 

 

参照

Voice-Sensitive Regions in the Dog and Human Brain Are Revealed by Comparative fMRI

Hungarian Academy of Science, Attila Andics, Márta Gácsi, Tamás Faragó, Anna Kis, Ádám Miklósi 2014.01.05