チキンワークショップ⑫良いトレーナーは辛抱強い
2014.10.04
以前にチキンワークショップのプログラムがいかに深く考えられているか書きましたが、これは実はマリアンが考えだしたものでした。
マリアン・ブリーランド・ベイリーPhD(1920-2001)は、「オペラント条件づけ」を提唱した ハーバード大学の心理学者、B. F. スキナー(B. F. Skinner)の弟子でした。スキナーのもとで、「ハトを使ったミサイル攻撃プロジェクト」を担っていた才女だったのです。
「マリアンは映像記憶の能力を持っていたんだ。何を聞いても覚えていたから、本当に便利だったよ」とボブ。
「映像記憶」(または直感像記憶)という言葉は日本では認知度が低いようですが、原文で考えれば意味はそのものです。Photographic Memory ・・・「フォトグラフィー」(写真)のような記憶。物事を写真のような形で記憶していることです。
この能力を持った人は、「あの資料の何ページに何て書いてあったっけ?」などという質問に答えられるんです。記憶が言葉で思い出されるのではなく、頭の中にページがまるまる浮かび上がるわけですから!
話がそれましたが、チキンワークショップはマリアンのアイディアで、アリアンがどうしてもやりたがったそうです。
「奥さんがハッピーでいるのはいいことなんだ。僕はマリアンが喜ぶならそれで良かったんだ」と、いつもボブは謙虚です(笑)
ニワトリに芸を教えると聞いたら、「わ〜面白そう!」と思うかもしれません。でも、なにしろワークショップには大変な労力がかかるんです。
ワークショップでは参加者一人に対して2羽のニワトリがあてがわれますが、さらに予備のニワトリも必要です。当時、何羽のニワトリを飼育していたかは聞きませんでしたが、生徒20人に対して最低40〜50羽くらいは準備していたのではないかと思います。二人は、その教材(ニワトリ)をトレーラーに積んで、全米をキャンプして回っていたのでした。
トレーナーとしてのマリアンについてボブは「彼女はとにかく辛抱強かった」と、しみじみと噛み締めるように言います。
動物をトレーニングする時、犬をしつけるとき、忘れてはならないとても大事な言葉です。
⑬「誰でも動物をトレーニングできる・・・◯◯◯さえかければ」