ベイリー、ファーフッディ格言集③「トレーニングはテクノロジーだ」

2015.08.10

チキンワークショップ2015 

ボブ・ベイリー格言集③「トレーニングはテクノロジーだ」

 

トレーニングという言葉から何をイメージするかは、人それぞれ違う。

特に犬については、しつけ、トレーニング、訓練、はては昔は広く使われていた調教という言葉まであるうえに、人それぞれ理念や信念、手法についてのさまざまな価値観が存在する。1990年代から褒美(オヤツやフードなど)を主に使うトレーニング方法や、動物に身体的ショックを与える体罰式を改める考えが一般に普及してきたが、その中身については人それぞれやっていることも解釈も違うのが現状だ。さらに最近は何かと「科学的な手法」というのが流行り文句になっていて、その理論のあり方や用語についての議論のための感情的な議論?!にも陥りがちだと指摘されることもある。

そんな中で、ボブ・ベイリーとパービーン・ファーフッディが教えるのは、実験室の理論を実社会(トレーニング)でどう実践するか、を体験して覚えることだ。

ボブがよく言うのは

「私が教えるのは、法則に基づいた、誰にでもできるテクノロジーだよ。ベイリー式とか⚪︎⚪︎式とか命名するようなものではない」

行動分析学を理解すると、「科学的」という表現自体をおかしいと思うものだ。なぜならば、人間を含めた動物の行動はすべて「行動の法則」に成り立っているので、どんな手法であっても「科学的」なのだから。(ここでは詳しく説明はしないが)

さらに、科学は技術になって初めて人間社会の役に立つ。理論は実践できなければ役に立たない。でも、行動分析という科学がもとになったテクノロジーは、機械や装置ではなく主に「人」を通すもの。電気製品などの応用技術と違って、ここが難しいところだ。

「褒美式」トレーニングは、動物が何かをしたらオヤツを与える、というだけではない。正しく使われないと、オヤツがないということを聞かなくなるとか、オヤツでつっている、などの誤解を生むことにもなる。

褒美として使うフードはトレーニングのひとつの道具。どのような時にどのタイミングで、どの程度褒美を与えるか、を駆使して、いかに早く、正確に、動物に覚えてもらいたいことを学習してもらうかが目的だ。これを思いどおりに操作したいところなのだが、人は機械ではないのでそう簡単にはできるようになるものではない。

 

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