チキンワークショップ⑭ 動物に伝わる「こうしてね!」
2014.10.13
動物に「こうしてね!」を正しく伝えるには、タイミングが大事です。
チキンワークショップが再開される前の3年間、毎年ボブとパービーンの講演に行っていました。3年目、パービーンの実演がありました。ボブは「実演」はしません。昔はしていたこともあったようなのですが、あるトレーナーが何をどうしても解決できなかった問題をあっというまに解決してしまい、そのトレーナーがひどいショックを受けた、それ以来、実演はしなくなった、との噂があります。
パービーンによると「ボブは同時に4、5匹の動物をトレーニングできる」のだそうです。何の小動物だったかちょっと忘れてしまったのですが、目の前にあるいくつかのトレーニング用のボックスに入っている小動物に向かって、親指と人差し指でご褒美の餌を飛ばすそうです。イルカも少なくとも2頭同時にトレーニングしていました。イルカのトレーニングのビデオは見せてもらったことがあります。
褒美の餌は、ただ投げて与えれば良いのではなく、正確なタイミングで、狙った位置で与えなければ意図するトレーニング効果がでません。
ボブが「狙ったところにオヤツを投げる練習をするといいよ、できれば右手も左手でも」というので、家に帰ってから、コーヒー缶にオヤツを投げ入れる練習をしました。確か乾燥した小豆を使ったと記憶しています。私はボールを投げるのが下手で、フリスビーも前ではなく下手したら後ろに飛んでしまうことさえあるくらいです(笑)
2〜3メートルくらい離れた場所から練習し、良いときで10発中8個くらい入る程度。なかなか難しいです。
実は、ドッグトレーナーの勉強を始めたときにも、似たようなことを言われました。
リードを椅子の足にくくりつけ、一瞬リードをピッと引き、5センチ動かす、あるいは10センチ動かす。その微妙な力加減を自在に調節できるように練習するとよい、と。
もちろん、それもやりました。するどくリードを引っ張らないと椅子が上手に動かない。これもまた、なかなか難しいものでした。
でも、ちょっと考えてみてください!
この二つのスキルには、決定的な違いがあるのがわかりますか?
ひとつは正確に褒美(オヤツ)を与えるタイミングの練習。上手にできたときに報酬を与えるためです。
もうひとつは「リードチェック」(リードで犬の首に不快感を与える)という罰を与える練習です。英語では leash correction と言いますが、犬が間違ったことをした時や号令に従わないとき(服従しない)ときに、リードで犬の「行いを正す」ということです。
どちらを使うのでも「タイミング」が大事なのは同じです。でも私は、褒美を重視したトレーニングをしたいと思います。あなたはどちらを選びますか?