リードを短くもって犬をコントロールする、の本来の意味
2015.04.11
他の犬に吠えてしまう飼い主さんはみな、私が「リードが短すぎます」というと、「え?リードは短く持って犬をコントロールするのではないのですか?」とビックリします。
しつけの本やインターネットでそのようなことが書いてあるのでしょう。
でも、実はそれが逆に「吠える犬」「引っ張る犬」「興奮する犬」「通りがかりに犬や人に飛びかかる犬」を生んだ原因でもあるのです。
あなたが道を歩いているとき、反対側から目つきの悪いよたった人が歩いてきたり、あるいは何か怪しげな勧誘をしている風の人があなたを見つけてこちらに向かって歩いて来たら、どうしますか?
目が合わないように、目を背け、さらには弧を描いて少し離れて通りすがろうとしませんか?
それなのに、もし一緒にあなたと歩いていた無神経な友人が、その相手に向かって直進していったとします。あなたは避けようとしているのに腕を引っ張るので、あなたはその避けたい人とギリギリですれ違わなければならなくなったら???
見知らぬ犬や人が苦手な犬のリードを短く持っていると、犬はこのような状態になります。避けたくても避けられない。さらに中には通りすがりに飛びついてきたりする犬もいるのに、逃げることが許されず、羽交い締めにされているようなものです。怖い思いが重なり、我慢の限界に達すると、相手が向かってくる前に「近寄って来るな〜!」と吠えるしかなくなる訳です。そして犬が暴れるからますます飼い主さんはリードを短く持つ・・・という悪循環。
そもそも小型犬のリードはほとんどが120cmで、この長さではまるで首を吊られたまま歩いているようなものではありませんか。
でももしリードが長ければ、通りすがりに犬は自分で飼い主さんの反対側によけるものなのです。それが犬も人間も、本来の自然な行動だから。
では、リードを短く持ってはいけないのか?
必要なときは短く持ってください。道路が狭くて車が多く通る道、人ごみ、ふらふら歩かせたら危険な場所など、犬の安全を守るためには必要です。
そのような時以外は、犬にも嫌なものを避ける自由は与えられるべきです。
狭い道で他の犬とすれ違わなければならなかったら?短いリードのまま後ろで手を持ち替えて、相手の犬から遠い側を歩かせてあげればいいのです。
リーダーウォークと呼ばれる、犬を必要ないときまで飼い主の左真横について歩かせる必要はありません。
(注意:すでに過剰に吠る、引っ張るなどの問題を抱えている場合は、リードを長くすれば治るというわけではありません。それぞれの状況に合わせたトレーニングの必要があります)
カテゴリー: しつけのコツ「犬はどう学ぶのか」 吠える
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