犬の歯磨きは長寿の秘訣
2014.05.10
ある獣医さんによると、長生きの犬はみな、歯が奇麗だそうです。歯医者さんにも「口の中をきれいに保ことが、高齢になっても元気でいられる秘訣」との話を聞きました。私の祖母は100歳なのですが、一時少し体調を崩し、弱っていたところ、定期的に歯医者さんが訪問診療を受けるようになったら、目に見えて元気を回復しました。
犬は、そもそも口の周りや口の中を触られるのは嫌がるもの。歯磨きはどうしても苦手という犬も少なくありません。
ほとんどの犬が2歳になるまでに歯周病にかかっているといいます。このころはまだ一見、それほどよごれていないように見えるかもしれませんが、若いときは新陳代謝も早いです。若い方が病気の進行が早いのと似ているのかもしれません。実際に、私もまどわされてしまったのが、「歯周病=歯茎が赤い」という情報。実際は見た目は赤くなくても歯の根元と歯茎の内側が歯周病菌に浸食されていることもあるのでした。もうひとつは、「歯石=歯周病」という間違った認識。歯石よりも歯垢を取り除く方が大事だそうです。
人間でも、虫歯になりやすい人となりにくい人、歯石がつきやすい人とつきにくい人と個人差があるように、犬にも個体差があります。
我が家の1匹は9歳。子犬のときから2歳くらいまでは頻繁に歯磨きをし、歯石もよくついていた記憶があります。その後は数日に一回などとさぼったりしていましたが、歳をとるにつれて歯があまり汚れなくなりました。歯はピカピカです。
・・・と思って油断していたら、2匹目(5歳)が歯周病になってしまいました。子犬のときから歯磨きをしてはいたのですが、この子は歯磨きが大嫌いな上に、いわゆる“歯周病になりやすい体質”だったようです。唾液の質が明らかに違います。ねっとりネバネバしています。ネバネバした唾液の方が問題が起きやすいと知って、納得しました。また、口が小さいのでたとえ歯磨きをしても歯ブラシが十分奥まで届いていなかったようです。
ある時期から引っ張りっこをして遊ぶとオモチャに血が付くことがあり、オモチャも臭くなってきました。牛皮などをかじっていても牛皮に血がつきました。
おかしいなと思って口の中を見ても、特別赤くなってもなかったし、獣医さんにも毎年見てもらっていました。でも、今思うと、問題が起きた一番奥の歯はあまりにも小さく、よく見えなかったのではないかと思います。レントゲンを撮り、実際に歯石取りの手術を行なってみて初めて深刻さが明らかになりました。
それまでの間に、歯石と歯垢を取り除こうといろいろ試しましたが、やればやるほど嫌がる悪循環に陥り、最後はどうにか指に巻いたガーゼでなら歯を拭かせてくれる状態だったのです。今思うと、炎症を起こしていたから痛かったんです。
手術後に歯はピカピカになり、歯周病菌も一掃できます。でも、「とにかく歯磨きをするしかない。しなければすぐにもとに戻ってしまいますよ」と言われたことを肝にすえ、改めて歯磨きトレーニングを開始しました。
歯ブラシを見ただけで嫌いになっている、ガーゼや指に巻く布のタイプは一番奥まで届かないし歯の隙間も届かない、口の中に入れる液体も嫌いだし、その効果は不十分・・・
何本もいろいろなタイプの歯ブラシを試しました。どれも歯ブラシのヘッドが大きすぎて奥まで届かないまま、口の中に不必要に当たって嫌がりました。最後に行き着いたのが人間用の磨き残し部分を磨く小さな歯ブラシ(写真の一番左)。毛先は固めなのですが、これだと狙った場所だけを磨くことができ、これまでの中では一番です。嫌がりますが、やらせてくれます・・・
それでもプラスチックの部分(毛の部分の高さ)が太すぎるので、もっと小さければ口を大きく開けさせなくても奥まで入れられ、さらに嫌がらないのではないかと思います。
特に超小型犬の口の中も歯そのものも本当に小さいので、もっと小さな歯ブラシが開発されるといいなと思いますが、歯のトラブル予防には地道な歯磨きしかありません。そのためにも、子犬のときから歯磨きには慣らしましょう!