これって本気噛み? 私、甘く見られてるの?
2014.10.02
「甘噛みがひどくて手が血だらけ、傷だらけ・・・」
「鼻に飛びかかってきて、噛みつく」
子犬の甘噛みで困っている飼い主さんで、「本気噛みしてくる」とご相談を受けることがあります。
「本気噛み」が何を指しているのかは人によって違うようなのですが、たいがい子犬はただ「遊んでいる」だけ。正しい人間との遊び方と、自制心を教えればいいのです。2〜3カ月の子犬が本当に「本気で飼い主を攻撃」しているのであれば、その子犬のペットとしての気質には問題があるでしょう。
問題とまでいわなくても、「キレやすい」性格の犬はいます。
トリガーとなるものはそれぞれですが、何かストレスにさらされたとき、衝動的に攻撃的な行動にでる性格です。
人間でいえば、電車で足を踏まれたとき、「痛いじゃないか!こいつ、何をするんだ!」と頭に血が上って反射的に相手の胸ぐらをつかんでしまう人。
小学校で隣の席に座った子に先生に見えないように太ももをつねられたとき、何も言わずに席を動く子に対して、つねり返す子供です。
これを「本気噛み」と言えば、確かに本人は本気ですね。でも、これは性格のたった一面にすぎません。性格とは「いろいろな性格の集まり」なのです。場面ごとに違った顔が表れます。1エピソードだけで「あの人は自分を何様だと思っているんだ」「あの子は反抗的だ」と断言できますか?
だから犬も、犬が優位に立っているから噛むとは言えない、と言っているのです。
“反撃型”の性格の場合、しつけには特に気をつけなければなりません。子犬の場合は、まずは歯が抜け替わる前に(生後5カ月までに)噛む力をのコントロールをしっかり学ばせておくこと。万が一噛まれたときのケガが軽くてすむようにです。
飼い主が「犬から甘く見られている」といった誤った認識で不必要に対立しないこと。この性質を助長してしまうことがありますから。
それよりも、少しずつ我慢できる限界を引き上げていく、自制心を養う、そういったトレーニングが有効です。これがいわゆる「犬の良い面に注目してそれを伸ばす」という犬のしつけです。
それを実行するには、犬の性格や限界点を上手に見分けななければなりません。正しいトレーニングをすれば1、2日、長くても1週間もすれば何らかの改善が見えるはずなのです。それでも改善されない・・・そんな場合は、何か他の原因を考える必要があるでしょう。(本気噛み!しつけにも限界はあるにつづく)