子犬がトイレを失敗するのは「嫌がらせ」なのか?
2016.08.18
子犬のトイレトレーニングでご相談を受けるとき、「ちゃんとトイレでできるのに、時々わざと失敗するんです」と訴える飼い主さんがよくいらっしゃいます。
同じように思っている方、子犬がちゃんとトイレで排泄できたとき、どうしていますか?ご褒美のオヤツはあげていますか?
もし答えが、「いいえ、でも、褒めるように言われたので、褒めています」というのであれば、ちょっと考えてみてください。
2カ月齢の子犬が「◯◯ちゃん、いい子ね〜♪」という言葉の意味をどれだけわかっているでしょうか?
確かにしつけの本にも「トイレでできたら褒める」とか「褒めて撫でる」などと書いてあるものがあります。そのように指導するトレーナーもいます。
でも、ほとんどの方がペットショップから子犬を買います。ペットショップに並んだ2カ月齢の子犬のほとんどは特別に意識して人間との社会化をされていませんし、もともとこのくらいの時期までは、人間よりも母犬や兄弟犬との関わり合いが多いのが普通です。
子犬は新しい飼い主さんの家にやって来てから初めて、人間の使う「言葉」の意味を少し学んでいくのです。
家に来たばかりの子犬は「いい子」とか「偉いね〜」と声をかけられることについてどう思うかというと・・・
「オシッコをすると飼い主さんが注意を向けてくれる」と解釈し、「トイレでオシッコをしたから褒められた」と理解するとは限らないのです。
だから「私がかまってあげないと、トイレをわざと失敗するんです」と誤解する方が多いのでしょう。確かにある意味「わざと」ですが、「嫌がらせ」とは言えないのでは?飼い主さんに注意を向けて欲しくてオシッコするのですから。
でも飼い主さんはそうではなくて「“トイレの上で”オシッコできたね」ということを子犬に伝えたい。
それを最も子犬にわかりやすく伝えることができるのは、初めはとにかくトイレの上で排泄できた直後にオヤツをあげること。それに加えて正しいタイミングで「いい子だったね」「そうそう」という褒め言葉をかけます。そのことで、子犬はその言葉の意味と、何を褒められているのかを学んでいきます。
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