飼い主の過剰な期待を背負う犬「いい子ってどんな犬?」

2015.12.16

町中で犬がウロウロしているのが普通だった時代に比べて、外で犬に出会うことが特別なことになった感がある。(参照 犬に対して過剰反応する人間たち)それと同時に、家族の一員として家の中で暮らすようになった犬は、飼い主の過大な期待を背負っていることも多い。

アメリカの一部のトレーナーの間では、「コントロール・フリーク」(control freak)という呼び名がある。自分の犬にやれスワレだ、マテだ、目を合わせろ、と、つねに「ああしろ、こうしろ」と指示する人のことだ。辞書をひくと「支配欲が強い人、やたらと支配したがる人」と出てくる。

犬を威圧して絶対服従を強いるタイプの人に特有のことではない。オヤツを使って犬を褒めてしつけるトレーナーでも、こういう人は多い。

犬を褒めるトレーニングなら良いように見えるかもしれないが、実は「お行儀よくさせたい」という飼い主に、すごく管理(コントロール)されている。犬は、飼い主の挙動に一喜一憂し、一人では何もできないような犬になる。

 

犬ってどんな動物?

 

よく言うことを聞いて行儀が良く、

誰にでも人懐こく、どんな犬とも仲良くできる。

 

家の中では大暴れせず、

外でリードを引っぱらないで歩ける。

 

トイレはすぐ覚え、

来客には吠えない…

 

でも現実は、子犬が元気で走り回るのが当たり前。退屈したら物を囓ったりいたずらするのが当たり前。

子犬の時から聞き分けがよく、静かでおとなしい方が、心配だ。

 

犬は動くものを追いかけ、ものを噛む。

好奇心が旺盛で、臭いもののにおいを嗅ぐのが大好き。

基本的な欲求が満たされていたら、おとなしい。

本来は、自分の寝床から離れた場所でトイレをするものだ。

 

そして、犬は飼い主さんが大好きで、一生懸命期待に応えようとする。

 

飼い主の期待を投影して、がんじがらめにするのではなく、犬には自由な息抜きの時間も必要だ。行儀が悪いことがあってもいいんじゃないの?

 

 

カテゴリー: 犬の習性と行動 吠える 噛む トイレ 犬の性質としつけ 生活の質・健康管理

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