犬は頭を撫でられるのが嫌い〜犬に喜ばれる “正しい”撫で方
2014.04.12
ドイツの研究チームは、犬が見知らぬ人から撫でられた時、犬がどう“思って” いるかを調べました。
犬好きの人や子供は特に、 見知らぬ犬と出会うと頭を撫でたくなります。でも犬はそれをどう思っているのでしょう?
手を出したときに「固まる」「 後ずさりする」などは明らかに嫌がっている反応ですが、それさえも理解していない人がたくさんいるのが現状です。
この研究では、心拍数を計るためのストラップをつけられた犬が、飼い主とともにオフィス風の部屋に入り、見知らぬ人に9通りの触り方をされます。この時、飼い主は、犬にはかまわないでいます。
明らかに嫌がっている反応だけではなく 、あくびや舌をペロリとする、前足を上げる、などのストレスシグナルも合わせて犬の様子やしぐさをビデオに記録し観察され、心拍数からはその反応が好ましいのか嫌気を示しているのか分析されました。
触り方は以下のとおり。
1) 肩を撫でる
2) 胸を撫でる
3) 首の上方を撫でる
4) フセをさせ撫でる
5) 片前足をにぎる(お手)
6) 頭を撫でる
7) しっぽの付け根(背骨)をもむ
8) 首輪をつかむ
9) 片手でマズル(鼻面)を覆う
たとえ嫌でもその場を逃げられないような「拘束 」された状態では、一貫して嫌気の反応が示されました。(4、8、9)
一方、顕著に嫌がってはいなくても明らかに嫌がる撫でられ方は、「頭を撫でる」と「お手」。そして犬が最も喜んだのは「肩を撫でる」「胸を撫でる」と「しっぽの付け根に近い背骨あたりを撫でる」でした。
さまざまな犬種の普通の家庭犬28匹、平均5歳の基礎的な服従訓練の有無に関係なく選ばれた犬が対象とされました。
現実的には、多くの人が「わ〜かわいい〜」と寄ってきて上から手をだし犬の頭をなでます。それが苦手な犬はトレーニングしておきましょう。
参考
Behavioral and cardiac responses by dogs to physical human-dog contact, Franziska Kuhne1, Johanna Hößler and Rainer Struwe, Justus-Liebig-University, Journal of Veterinary Behavior, March 5, 2014.