「褒めてしつける」ってどういうの?(動画付き)
2014.10.28
最近の流行りは「褒めてしつける」ですね。ただ、流行ると誰もがそれを売りにします。
数年前、アロマセラピーが流行ったときのことを覚えていますか?本来、アロマセラピーは“セラピー”というのですから、天然の精油と呼ばれるオイルを使った代替療法の一種なのですが、単なる芳香剤や化学物質で作った香料まで「アロマセラピー」と宣伝されていました。
犬のしつけも同じです。うたい文句に惑わされないで本当の「褒めてしつける」ことのできるトレーナーを見分けてください。
言葉の通じない犬に「こうしてね!」を正しく伝えるには、タイミングが大事です。
褒美のオヤツは、ただ与えれば良いのではなく、正確なタイミングで、狙った位置で与えなければ意図するトレーニング効果がでません。
私の師匠のひとりは、ボブ・ベイリーと言いますが、動物トレーニングの神様のような人です。
以前、彼のセミナーで「狙ったところにオヤツを投げる練習をするといいよ、できれば右手も左手でも」というので、家に帰ってから、コーヒー缶にオヤツを投げ入れる練習をしました。犬のオヤツの代わりに乾燥した小豆を使ったと記憶しています。私はボールを投げるのが下手で、フリスビーも前ではなく下手したら後ろに飛んでしまうことさえあるくらいですが、それでも少しずつ上手になるものです(ビデオを見てください)
実は、もっと前にドッグトレーナーの勉強を始めたときにも、似たようなことを言われました。
リードを椅子の足にくくりつけ、一瞬リードをピッと引き、5センチ動かす、あるいは10センチ動かす。その微妙な力加減を自在に調節できるように練習するとよい、と。
もちろん、それもやりました。するどくリードを引っ張らないと椅子が上手に動かない。これもまた、なかなか難しいものでした。
でも、ちょっと考えてみてください!
この2つのスキルには、決定的な違いがあるのがわかりますか?
ひとつは正確に褒美(オヤツ)を与えるタイミングの練習。上手にできたときに褒美を与えるためです。
もうひとつは「リードチェック」(リードで犬の首に不快感を与える)という罰を与える練習です。英語では leash correction と言いますが、犬が間違ったことをした時や号令に従わないとき(服従しない)ときに、リードで犬の「行いを正す」ということです。
どちらを使うのでも「タイミング」が大事なのは同じです。私は、褒美を重視したトレーニングをすると決めたとき、リードチェックを使わないことにしました。でもこれは一度身に付く無意識に手が動いてしまう癖がつきます。完全に直すのは簡単ではありませんでした。
さて、あなたはどちらを選びますか?
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