トレーニングの効果を左右する3ミリの動き
2015.04.03
ドッグトレーニングは「スキル」だ。
あのやり方がどうの、このやり方がどうの、とならいくらでも言うことはできるが、「実技」ができなければ意味がない。
1月に東京で行われたKナインノーズワークセミナー(スニッファードッグカンパニー主催)に参加してくださった方とその後、話をする機会があった。セミナーで私が犬をトレーニングするのを見ていたというのだが、その方は私の小さな体の動きと犬の反応に注目していたそうだ。
その方はトレーナーではない。普通の人は犬ばかり見てしまう。へぇ、そんな微妙なところまで見ていたんだ、と感心した。
犬とともにカイロプラクティックの施術を受けに行った。その時、私は先生に、自分の体の状態に対しての意識が敏感だ、と言われた。この感覚が希薄な人は、せっかく体が正しい位置に矯正されてもわからないし、当然、体のバランスが崩れていてもわからない。その一方、「その道のプロ」とされる音楽家やスポーツ選手の中には、たった3ミリの体の狂いでも「耐えられない」と感じるそうだ。
この先生からカイロの施術を受けたのは初めてだったが、私は、これまで自分の体の状態に敏感になることを数々やっていている。ここ2年ほどお休みしているが、そのひとつは、クラシックバレエだ。その他、乗馬に凝っていたこともある。乗馬の初心者は、つい大げさに手綱を引いたり馬の脇を蹴って合図をしてしまうが、上手な人は体のバランスだけで馬に合図を伝えることができる。
自分の体に敏感になる、というのは、自分が体のどこをどのように動かしているか、どう動いたか、あるいは動かなかったか、といったことだ。そしてさらに、自分がどう動いたら犬がどう動くか、動かなかったらどうなるか、ということ。
効率的なトレーニングをするには、教えたいこと以外の余計な情報や刺激は少ないにこしたことはない。無意識のうちにトレーナー(や飼い主)が余計な動きをしていると、犬は余計なことも覚えるし、新しいことを覚える邪魔になる。
実際は、「3ミリ」の動きをコントロールする必要はない。
ただ、どんなトレーニング手法であれ、犬に何かを教えたい時、それを短時間で正確に教えるためには、自分の動きに敏感であることが重要なポイントのひとつになる。
カテゴリー: しつけのコツ「犬はどう学ぶのか」 トレーニング手法
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