多頭飼い②「吠えて叱っても言うことをきかない」

2014.11.08

最近よく見るようになった多頭飼い。
2匹目を迎えれば自然に仲良く暮らせる、とは限りません。犬が勝手に近所に散歩に行っていた時代と違い、今は限られた空間で1日の大半の時間を共有しています。
特に2匹の年齢が離れていたり、どちらか1匹の特に気が強い、気が弱い、などの場合は、2匹ともが安心してのびのびと暮らせるように、飼い主さんが配慮してあげてください。

 

◎ケース2(横浜市港北区)
先住犬は柴犬の女の子。2匹目は2歳未満のトイプードル。赤ちゃんが這うようになったので、リビングを半分に仕切って2匹の居場所を制限したところ、それ以来、2匹目のトイプードルが過剰に吠え、いくら叱っても言うことを聞きませんでした。
「柴犬の方は吠えないし、まったく問題のないいい子です。なのになぜこの子だけ・・・」と飼い主さんはお手上げでした。

このトイプードル、「しばらく前まではオモチャで遊んでいたのに、最近遊ばなくなった」というのです。

若く活発なプードルで、エネルギーが有り余っているはずなのに?!

一方、柴犬の方はもうオモチャでは遊ばないとのことでした。トイプードルと比べて柴犬は「大人に」なると遊ばなくなる犬が多いです。

トイプードルだけ庭に出し、オモチャを投げてみました。初めはなぜかためらっていたのですが、すぐに喜んで遊ぶようになりました。

 

つまり・・・

柴犬お姉ちゃんの言い分:「もう“子犬”としての優遇期間はおしまいよ。あたしがお姉ちゃんなんだから、勝手にオモチャで遊ばないで」
トイプー妹の言い分:「だからオモチャで遊んでいると怒るわけ?・・・そういうなら、もう遊ばないから。でも最近あんまりお散歩も行ってもらえないし退屈でたまらないよぉ」

 

妹は、お姉ちゃん犬に「大人になった」と認められると同時に、「あくまで私がお姉ちゃんよ」と牽制されていたのです。

性格が良いとか悪いとかの問題ではありません。ただ単に、先住犬が主導権を握っていたというだけです。

 

吠えたときの対応の仕方とお散歩トレーニングを実施。トイプードルだけ庭でおもちゃで遊んであげるようにアドバイスしました。その後、1週間ほどで落ち着いたそうです。

 

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