多頭飼い①「いさかい」と、それぞれの言い分
2014.05.02
最近よく見るようになった多頭飼い。
2匹目を迎えれば自然に仲良く暮らせる、とは限りません。犬が勝手に近所に散歩に行っていた時代と違い、今は限られた空間で1日の大半の時間を共有しています。
特に2匹の年齢が離れていたり、どちらか1匹の特に気が強い、気が弱い、などの場合は、2匹ともが安心してのびのびと暮らせるように、飼い主さんが配慮してあげてください。
◎ケース1
先住犬のジャックラッセルは、活発ながら節度ある女の子。庭でのボール遊びが大好きです。
2匹目は若いウェルシュテリアのやんちゃな男の子、B君。ボールを追いかけるお姉ちゃんのことを追いかけるのが楽しくて仕方ありません。
でも、B君が2歳になったころからボールをめぐって「いさかい」が目立ってきました。
「B君がお姉ちゃんの近くによるとお姉ちゃんが嫌がって喧嘩になるんです。この子、いい子なのに、らしくない」と飼い主さんは困惑していました。
「B君にもボールを投げてあげてみましたが、取りにいかないし…フリスビーも大好きなんだけど、追いかけるだけで持ってこないんです」
というので、B君とフリスビーで遊んでみました。
大喜びで引っ張ります。そこで何度かフリスビーを投げてみました。
「持って行くと引っ張りっこをして遊んでもらえる」とすぐにピンときたようで、持って戻ってくるようになりました。
お姉ちゃんの言い分:「あなたももういい大人になったでしょ。私のボール遊びの邪魔しないで!」
弟の言い分:「ボクだって遊びたいのに・・・ボールがダメなら、ボクはお姉ちゃんのこと追いかけるさ」
“小競り合い”になるのは、ときどきお姉ちゃんが我慢の限界に達するからでした。でも弟はお姉ちゃんに牽制されてボールで遊べなかったのです。
「お姉ちゃんはボール」「ボクはフリスビー」で遊ぶ、とはっきり区別したところ、同時でもそれぞれの“獲物”を追いかけて遊べるようになりました。