誰もが“ブリーダー”?!と名乗る時代:良い子犬選びとしつけの関係

2014.11.12

数日前から、群馬県などで「ダックスフンドやトイプードルなどの人気小型犬が大量に捨てられている」という話が報道されています。

犬の繁殖業者が、不要になった犬の処分に困って破棄している、と言われていますが、このような事件は大きくニュースで取り上げられる時だけではなく、実は日常的に行われているといってもいいかもしれません。

ニュースではこのような業者のことを「ブリーダー」と言っていましたが、あなたは「ブリーダー」と呼びますか?

この手の業者のほとんどは「ペットショップ」に犬を“卸して”います。“人気”の犬種を大量生産し、用済みとなった親犬は捨てるのです。繁殖用の母犬は、その一生を狭いケージで過ごし、次々と子犬を生ませられ、用済みとなったら捨てられるわけです。当然、遺伝するような病気やペットとして適した性格だとか、そういったことは考慮されません。ここ10年くらい流行っている「デザイナー犬」の多くも同じです。

そしてこのような業者も今や「ブリーダー」と名乗り、呼ばれるのです!

ブリード Breed =繁殖する、ですから、犬を繁殖する人は誰もがブリーダーとも言えるのですが、でも、あなたが「ブリーダー」と聞いて想像するのはどんな人ですか?

犬は流行ものの「商品」と考える人のことですか?

 

私が「ブリーダー」と呼ぶのは、繁殖しているその犬種が大好きで、特別の思い入れがあり、その犬種の特徴は当然のことながら、ペットとしての気質や健康な子犬を繁殖している人のことです。

飼っている繁殖用の犬は、毎日お散歩にも連れて行ってもらえるし、家族の一員として生活しています。当然、子犬が生まれたときも、母犬だけではなく、それ以外の家族の犬たちと一緒の時間を過ごします。1日のうちケージで過ごす時間があったとしても、それがほとんどの時間ではありません。

私が「ブリーダー」と呼ぶ人は、どんな気質の子犬が生まれるかを考えて繁殖します。万が一、何らかの問題を抱えた子犬が生まれてしまったら、知らんぷりして売りつけるのではなく、自分で面倒を見るか、あるいは適切な対応のできる人(トレーナーなど)に託す人です。

 

アメリカで知り合ったあるトレーナーは、ウィペットという犬種を繁殖していました。長年、これが自分の犬の特徴だ、という「血統」を築き上げたのですが、次の繁殖用にと思っていた母犬には、遺伝的な欠陥があることが判明してしまいました。その子犬の1匹が、母犬とまったく同じ“性質”を表したのです。彼女は、これがわかってから泣く泣くこの「血統」の繁殖を断念。その母犬と子犬も自分で飼っています。

 

ペットショップにいる子犬がみんな問題あり、と言っているわけではありません。良い性格の子も、健康な子も、もちろんいます。

ペットショップや繁殖業者は商売としてやっていて、そこから買う人がたくさんいます。社会の仕組みがそうなっているので、誰かを責めてもどうにもなりません。

 

でも!

特に「流行」の子犬を飼うときはよく考えてください。流行りに便乗してその犬種が“大量生産”され、その時期に繁殖された人気犬種は何かと健康上に問題があることが多いです。これまでの流行では、1990年頃のゴールデンレトリーバー、スピッツやシベリアンハスキーが流行った時期もありました。

最近ではトイプードル。マルチーズも良く見るようになりました。さらに次はビションフリーゼが流行ってきています。

ペットショップで買う子犬のほとんどは、パテラと呼ばれる膝の骨の異常がみられます。この病気は優性遺伝するそうで、ブリーダーが見れば生まれた直後にわかるそうです。あるブリーダーさんは、「この程度なら普通で大きな問題ではない、くらいの感覚でしか思っていないので繁殖するのではないか」と言っていました。

ペットショップの中には、繁殖者の情報などを表示しているところもあります(一定項目の説明義務が法律化されたため)。実は私はこれを鵜呑みにしません。それだけでは、本当の家庭環境や親犬の性格などまでわからないからです。特に「本当に“ブリーダー”なら、なぜ大事な子犬をこんな環境の悪いペットショップに卸してるの?」と思うこともあります。

 

一度飼ってしまったら、どんな子でもどんな病気でも、愛着がでて手放せなくなるのが飼い主の心情。罪な商売ですね。

だからこそ・・・子犬を選ぶときは慎重に!

 

 

 

この記事のカテゴリー: 犬の習性と行動 噛む

 

 

 

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