「犬が‘’悪い子”なのはすべて飼い主が悪い」のウソ

2015.02.02

「犬をちゃんとしつけるのは飼い主の責任だ」

確かにそのとおり。

生後2〜4カ月までに必要な社会化をきちんと行い、穏やかなしつけをする…「いい子」に育てるための必須条件です。

でも現実は、この重要で取り返しのできない時期に「ワクチンが終わっていないから」と社会や他の犬からほぼ隔離されて育ってしまう子犬たちがたくさんいます。

4カ月くらいまでペットショップのショーウィンドーの中で育つ子犬もたくさんいるのが現状です。

 

それでもこれといった問題なく育って行く子と問題が出てくる子がいるのはなぜか?

どこまでが「飼い主のせい」なのか?

 

<タイプ1>

・お留守番ができなくて飼い主さんは困っていました。日中犬を預けていた犬の幼稚園では「ここにいる間はまったく問題がないですよ。家でできないのは飼い主さんとの信頼関係ができていないからです。しつけ教室に通ってはいかがですか?」と言われたそうです。まったく的外れで無神経な指摘で、私は心が痛みました。

・玄関の呼び鈴や外の物音に過剰に吠え、体を触ろうとすると噛み付くようになってしまった犬の飼い主さんは、他のトレーナーに、吠えたらコインの入った缶を投げて大きな音をだしてやめさせるように指導を受けていました。犬には余計にストレスがかかっただけで、根本的な解決にはなっていませんでした。

いろいろとお話をうかがうと、いずれも飼い主さんの飼い方にはこれといった問題はなかったんです。いずれも一種の病気でした。

<タイプ2>

何らかの出来事がきっかけで、過剰に吠えたり噛むようになってしまった犬。病気とまでは言わなくても、たんなるしつけや飼い方の問題ではありません。

<タイプ3>

もともと「うなる」「噛む」「吠える」などの「問題」とされる行動が出やすい犬に、それを悪化させるようなしつけ方法が奨励され、それが正しいとまかり通っている。困っている行動が、何カ月たっても改善しないならまだしも、改善するどころか悪化してしまっていても、飼い主さんは「自分のやり方が悪い」と思ってしまうようです。

唸ることは決して「悪いこと」ではありません

 

ちゃんと飼い主さんの話を聞き、犬を見ればわかるはずなのですが…

その違いがわからない‘トレーナー’もたくさんいて、一律の決まったしつけ方法を押し付ける、というのが現状です。

 

私がご相談を受ける飼い主さんたちは、みなさん本当に一生懸命犬のことを考えていて、どちらかといえばよくしつけられています。

すべての犬の行動が、飼い主さんに問題があるからではありません。

 

カテゴリー: 犬の性質としつけ 噛む 吠える

 

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